平成15年6月7日(土)

第34号


◇◇◇ 日本臨床検査技師連盟だより ◇◇◇





診療情報の提供等に関するガイドライン(案)




 診療情報の提供については、平成14年7月に「診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会」が設置され検討されてきた。本検討会では、患者と医療従事者が診療情報を共有し、患者の自己決定権を重視するインフォームド・コンセントの理念に基づく医療を推進するため、患者の診療情報を積極的に提供するとともに、患者の求めに応じて原則として診療記録を開示するという基本的な考えの下にまとめられたものである。本ガイドライン(案)を入手したので紹介する。なお、紙面の関係で一部割愛するのでご了承願いたい。


1.

本ガイドラインの目的・位置付け (省略)


2. 定義 (省略)


3. 診療情報の提供に関する一般原則

医療従事者は、患者等にとって理解を得やすいように、親切丁寧に診療情報を提供するよう努めなければならない。

診療情報の提供は、@口頭による説明、A説明文書の交付、B診療記録の開示等具体的な状況に即した適切な方法により行わなければならない。


4. 医療従事者の守秘義務
医療従事者は、患者の同意を得ずに、患者以外の者に対して診療情報の提供を行うことは、医療従事者の守秘義務に反し、法律上の規定がある場合を除き認められないことに留意しなければならない。


5. 診療記録の正確性の確保
医療従事者等は、適正な医療提供するという利用目的の達成に必要な範囲内において、診療記録を正確かつ最新の内容に保つよう努めなければならない。
診療記録の訂正は、訂正した者、内容、日時等が分かるように行われなければならない。
診療記録の字句などを不当に改ざんは、行ってはならない。


6. 診療中の診療情報の提供
医療従事者は、原則として、診療中の患者に対して、次ぎに掲げる事項等について丁寧に説明しなければならない。
@ 現在の症状及び診断名
  A 予後
  B 処置及び治療の方針
  C 処方する薬剤について、薬剤名、服用方法、効能及び特に注意を要する副作用
  D 台替的治療法がある場合には、その概要、危険性、実施しない場合の危険性及び合併症の有無
  E 手術や侵襲的な検査を行う場合には、その概要、危険性、実施しない場合の危険性及び合併症の有無


7. 診療記録の開示
(1) 診療記録の開示に関する原則
医療従事者は、患者等が患者の診療記録の開示を求めた場合には、原則としてこれに応じなければならない。
  診療記録の開示の祭、患者等が補足的な説明を求めたときは、医療従事者等は、できる限り速やかにこれに応じなければならない。この場合にあっては、担当の医師等が説明を行うことが望ましい。
(2) 診療記録の開示を求め得る者
  診療記録の開示を求める者は、原則として患者本人とするが、次ぎに掲げる場合には、患者本人以外の者が患者に代わって開示を求めることができるものとする。
  @ 患者に法定代理人がいる場合には、法定代理人、ただし、満15歳以上の未成年者については、疾病の内容によっては患者本人のみの請求を認めることができる。
  A 診療契約に関する代理権が付与されている任意後見人
  B 患者本人から代理権を与えられた親族及びこれに準ずる者
  C 患者が成人で判断能力に疑義がある場合は、現実に患者の世話をしている親族及びこれに準ずる者
(3) 診療記録の開示に関する手続き
  医療機関の管理者は、以下を参考にして、診療記録の開示手続きを定めなければならない。
  @ 診療開示を求めようとする者は、医療機関の管理者が定めた方式に従って、医療機関の管理者に対して申し立てる。なお、申立ての方法は書面による申立てとすることが望ましいが、患者等の自由な申立てを阻害しないため、申立ての理由の記載を要求することは不適切である。
  A 申立人は、自己が診療記録の開示を求め得る者であることを証明する。
  B 医療機関の管理者は、担当の医師等の意見を聴いた上で、速やかに診療記録の開示をするか否か等を決定し、これを申立人に通知する。医療機関の管理者は、診療記録の開示を認める場合には、日常診療への影響を考慮して日時、場所、方法等を指定することができる。
 なお、診療情報についての開示の可否については、医療機関内に設置する検討委員会等において検討した上で決定することが望ましい。
(4) 診療開示に要する費用
  医療機関の管理者は、申立人から診療記録の開示に関する費用を徴収することができる。


8. 診療情報の提供を拒み得る場合
医療従事者等は、診療情報の提供が次ぎに掲げる事由に該当する場合には、診療情報の提供の全部又は一部を提供しないことができる。
@ 診療情報の提供が、第三者の利益を害するおそれがあるとき。
  A 診療情報の提供が、患者本人の心身の状況を著しく損なうおそれがあるとき。
医療従事者は、診療記録の開示の申立ての全部又は一部を拒む場合には、原則として、申立人に対して文書によりその理由を示さなければならない、また、苦情処理の体制についても併せて説明しなければならない。


9. 遺族に対する診療情報の提供
医療従事者は、患者が死亡した際には遅滞なく、遺族に対して、死亡に至るまでの診療経過、死亡原因等についての診療情報を提供しなければならない。
遺族に対する診療情報の提供に当たっては、3,7の(1),(3)及び(4)並びに8の定めを準用する。ただし、診療記録の開示を求め得る者の範囲は、患者の配偶者、子、父母及びこれに準ずる者とする。
遺族に対する診療情報の提供に当たっては、患者本人の生前の意思、名誉等を十分に尊重することが必要である。


10. 他の医療機関の担い手からの求めによる診療情報の提供
医療従事者は、患者の診療のため必要がある場合には、患者の同意を得て、その患者を診療した又は現に診療している他の医療従事者に対して、診療情報の提供を求めることができる。
診療情報の提供の求めを受けた医療従事者は、患者の同意を確認した上で、診療情報を提供するものとする。


11. 診療情報の提供に関する苦情処理
医療機関の管理者は、診療情報の提供に関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。
医療機関の管理者は、都道府県等が設置する医療安全支援センターや医師会が設置する苦情処理機関などの患者・家族からの相談に対応する相談窓口を活用するほか、当該医療機関においても診療情報の提供に関する苦情処理の体制の整備に努めなければならない。


12. 診療の提供に関する規程の整備
医療機関の管理者は、診療記録の開示手続き等を定めた診療情報の提供に関する規定を整備し、苦情処理体制も含めて、院内掲示を行うなど、患者に対しての周知徹底を図らなければならない。



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平成15年5月31日(土) 第33号 日本臨床検査技師連盟だより 平成15年6月20日(金) 第35号 日本臨床検査技師連盟だより


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